型枠大工とは
型枠工事とはなんですか?一般の方々には、良くわからない仕事内容だと思います。
「型枠」とは、「コンクリート製のビルやマンションなどを建設する際に必要な木造の枠」のことです。
「型枠大工」とは、型枠工事を担当する職人のことです。
型枠大工は、鉄筋コンクリート構造物には欠かせない工程の一翼を担っています。
マンションなどの大きな柱や壁や梁など建物の基本となる部分は、鉄筋などで作られた骨組部分にコンクリートを流し込んで作ります。コンクリートは液体のようなものなので、決められた寸法の形に仕上げるには何らかの枠を作らなければなりません。
一般的な枠の材質は、熱帯材から作られた合板や桟木などを使用し、設計通りに木造りの枠を作ります。この枠を作るのが型枠大工の仕事なのです。
型枠大工の流れ
垂直精度±3㎜が、型枠工事業界の一般的な許容範囲です。これ以上の歪みが出ると、建物の強度に大きな影響が出てしまいます。コンピュータを使用せず人間の手で、図面との誤差を±3㎜以内におさめることは非常に難しい作業です。それが、型枠工事の重要な仕事なのです。
ここでは、一般的な型枠工事(型枠大工)の流れを掲載しています。
1. 型枠の拾い出し(型枠加工図の作成)
施工図面から、柱・梁・壁・床の寸法、形状をパソコンを使って拾い出し、加工図を作成し、必要資材の数量を積算し発注致します。
2. 加工(板割り)
拾い出し作業で作成した加工図をベースに、ベニヤ板・桟木を切断して型枠を製作します。
工具は、ハンマー、釘打機、電動丸ノコなどを使って製作していきます。
3. 墨出し
施工図をもとに、型枠を組立てる柱の位置や大きさ及び壁の位置や厚さを、正確にコンクリート床面に墨を打つ作業をします。
この線や印を付ける時に、墨壺を使用しますので、墨出しと呼ばれています。
墨出し作業後には、墨を打ったところに合わせて、型枠を建込ませます。
4. 型枠の建込
加工した型枠を、墨出しをした墨の位置に合わせて建てます。型枠の建込の精度が、建物全体の出来を左右する重要な作業となります。
型枠を建てた後は、コンクリートを入れても変形しないように鋼管で締め付けて完了です。
5. コンクリートの打設
建込した型枠の中にコンクリート流し込みます。
コンクリート打設は、流動性のあるコンクリートを流し込むため、型枠にはかなりの圧力がかかるので、打設前点検及び打設中の型枠の点検は型枠大工の重要な仕事です。
6. 型枠の解体
型枠に流し込んだコンクリートが固まり、強度が出た時点で型枠を取り外します。
危険を伴う作業ですので、解体は時間をかけて丁寧、安全に日数をおいて解体していきます。型枠解体作業が終わると、型枠工事は完了です。
その後、仕上げ工事がはじまります。